内的聴取でより音楽的に
リトミックを考案した、エミール・ジャック=ダルクローズ(1865年~1950年)は、内的聴取の重要性を訴えています。
ピアノを弾く際には、楽譜に書かれている作曲者からのメッセージを読み取る力が不可欠です。
楽譜に記譜されていること
- 調号
- 拍子
- ニュアンス
- 音(メロディー、ハーモニー)
- リズム など
ほとんどの音楽講師は音を読むことができる力(読譜力)を上げようと必死です。音をスラスラ読めるまでには、かなりの個人差がありますが、5年以上かかるのが一般的です。
ダルクローズがいう「内的聴取」というのは、楽譜を見たときに、曲全体のイメージが想像できる力のことです。読譜力に重きを於いていた当時の音楽教育に対して、一石を投じたダルクローズ。
メロディーだけでなく、その調性感(例:ハ長調など)、和声感(例:ドミソなど)も伴います。
曲を弾くときだけでなく、作曲するときも、イメージに添った曲を頭の中で作り上げることができる、ピアノなど楽器がなくても作曲できる、といった風なことです。
いわゆるソルフェージュ力なしでは、できない技です。
そのために、リトミックでは乳幼児期から「音楽を聴く」「聴いたイメージで動く」ことを繰り返し行います。耳で捉えた見えない音を、身体全体で動かして調整していく。
僅かな期間でダルクローズが求める内的聴取力は培えませんが、音をイメージする力はどの生徒さんも着実に備わっています。
私はソルフェージュ力に自信がないため、音楽を学ぶ上でそれがどれだけ重要なものかが理解できます。
遊んでいるようで、深い域を見通して学ぶリトミック。やはりリトミックってすごいのです。


2025.10.3
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