リズムの質と調和
音楽を長い期間学んでいると、ピアノや歌の技術を磨くことだけに想いが傾いていました。
音楽の三代要素はリズム、メロディー、ハーモニーです。リズムは一番重要なのに、そこには目がいくことはありませんでした。
卒業すると自分には何もないような気がしました。今までの学びが生かされることはなく、音楽で生きていくという気力もありませんでした。
いろいろな出来事が起きたことで、リトミックを学ぶことになりました。
リトミックは「リズムが良い」という訳です。ピアノでも歌でもない、リズムの勉強。
それは実に奥深いものでした。
リトミックの研修では、リズムステップを繰り返し繰り返し行います。それは汗だくになるほど、筋肉にそのリズムを叩き込むように、目に見えないリズムを身体で体現します。
リズムステップの次は両腕を使って大きな「指揮」の活動が始まります。拍子によりその動きは変わります。
頭でも理解でき、ピアノでも両手で弾くことはできますが、足と手のリズムの複リズムのリトミックは訓練しないとできない。
身体を使うとわかることがありました。それはリズムの質です。単体のリズムパターンの質と、複リズムになったときのリズムのバランス(調和)。
リトミックを学べば学ぶほど、ピアノ演奏も変化しました。今まで感じ取ることができなかったリズ厶を多面的に捉えることができ、作曲者の意図や楽曲のアナリーゼ(分析)ができるようになりました。
音楽講師とは、ここまでの理解が不可欠なのではないかと思うこともあります。
リトミックに出会って11年目。リトミックを通して、音楽の学びがさらに楽しくなりました。音楽を諦めないで本当に良かったと感じています。
2025.8.18
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