カワイピアノグレード10級に挑戦します
来る1/28㊐は、カワイピアノグレードが開催されます。
場所はプラっとモール長崎1階ミュージックスクールプラっとモール長崎です。
今回の受験者は一名。小学6年生の〇ちゃんです。ピアノ歴は5年ほど。
〇ちゃんは、小学5年生くらいのとき、とても悩んでいる様子でした。
塾通いが始まり、なかなかピアノと向き合う時間が確保できず、レッスンの進行が遅くなったことを感じていたようです。
本来はとても活発な女の子で、ピアノも歌うように弾くことができる生徒さんでした。
ピアノは好きなのだけれども、なんとなく自信がなくなり、カワイピアノグレードテストの受験も諦めていました。
話し合いを続けて、「少しずつ進んでいって、受験できそうであれば受験する。」という結論に至りました。
今の子どもたち、とても忙しい環境にあると思います。中学生になると部活も始まるので、できるだけ小学生のうちに10級を取っておきたい!そう思ったようでした。
課題曲はバイエル106番、黒人霊歌『深い河』(トンプソン現代ピアノ教本2より)。
特に、『深い河』には苦戦したようで、その「深さ」と音の深さの表現が難しい。
黒人霊歌が歌われた時代背景を知ることで、何かヒントになると思い、『アンクル・トムの小屋』を読んでいただきました。
ストー『アンクル・トムの部屋』
ハリエット・ビーチャー・ストー(1811-1896)はアメリカの女流作家。コネティカット州のリッチフィールドで生まれた。1832年 にオハイオ州のシンシナティで教師となり、地方紙への寄稿もしていた。1836年に学校が閉鎖されると、大学教授と結婚したが、 夫は病弱で貧窮を極めた。当時、オハイオやケンタッキーに奴隷を使っている地域があり、彼女は悲惨な奴隷達の生活状態を見聞した。
「GAIDAI BIBLIOTHECA」170号より
本書では、奴隷の生活がケンタッキーを舞台にして描かれている。信心深い中年の男の奴隷トムはシェルビー家から売られて いく途中、シンクレアの娘エバが溺死しかけたのを救う。シンクレアはトムを召使いとし、その行為に報いる。しかし、シンクレア が死ぬとトムは再び売られ、新しい主人レグリーの残虐さのためトムは死に追いやられる。シェルビー家の息子ジョージがトムを買い 戻そうと駆けつけた時は手遅れだった。
本書は、1851年に反奴隷制度運動の機関誌《National Era》に連載された後、1852年に単行本として刊行されたもので、1年間で 30万部売れたとされている。また、同年ジョージ・エイケン(George L. Aiken, 1830-1876)によって脚色劇化され、舞台でも大 当たりした。この物語が南北戦争の勃発に多大な影響を与えたといわれている。
この作品全体を貫く作者のキリスト教的人道主義は、アメリカの人々の心を強くゆり動かし、今日もなお読者の心を打ち続けている。
ただ音の線だけを見るのではなく、その曲が持つ色やメッセージなどもくみ取る必要もあります。
歌うように弾くことができる〇ちゃんならできる、と感じ、この曲に決めました。
この曲を通して、ピアノの難しさを感じつつ、また面白さを感じてもらえたのではないかと思います。
本番まであと少し。今までの頑張りの成果が十分出るように願っています。
2024.1.24
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